EXPERIENCE
| 天高く、馬肥ゆる秋―――という例えもあるらしい。 風は爽やかに頬に触れ、気候も穏やか、暑くもなく寒くもなく、絶好の行楽日和。 ・・・にも関わらず。 目前に繰り広げられている光景は、そんな穏やかさとはかけ離れ。 こんなに気持ちの良い日だというのに・・・ 心中密かに溜息を零す八戒の周囲には、相も変わらずの御客さん達。 しかも、ここ最近は尋常じゃない数の団体さんばかり。 「なんなんだよこの数はっ！」 「本当に、どこから湧いてくるんでしょうねぇ」 「差し詰め”機関銃型掃討作戦”ってとこかね」 「なんだよそれ」 「”数撃ちゃ当たる”」 「あはは、上手いですねぇ悟浄」 「だろう？ ま、誰かサンと一緒で掠りもし・・・」 その瞬間。 ガゥン・・・という音と同時に悟浄の頬を掠るような一陣の風。 「・・・っぶねーだろーがっっ、なにしやがる・・っ！！」 「・・・煩ぇ。ンな暇あったらさっさとヤれ」 つい先日も交わされていた遣り取りを思い出す。 この状況が頻繁に続けば苛立ちも頂点に達するというもの。 「クローンでも作ってんじゃねぇの？」と言ったのは悟浄だったか。 そう思いたくなるほどに、一向に減らない妖怪達。 ああ、いいお天気ですねぇ・・・ 青空の、なんと美しいことか。 こんな日は、どこか木陰で弁当でも食べれば、どんなに気持ちがいいだろう。 しかし、現実は―――――― 八戒は周囲を見回す。 他の３人の姿は誰も見えないが、まぁ・・・それほど一人離れたワケでもないだろう。 このまま、いつものようにそれぞれ気孔で吹き飛ばしても、それはそれで構わないが。 実のところ流石に、連日この状況で、いい加減飽きてきていた。 いや魔がさしたといってもいいかもしれない。 ふっと、思ったことは。 面倒臭いなぁ・・・ そんなことだった。 ふと、カフスへと触れる。 ―――外してしまおうか？ この程度の人数ならばいつもよりもっと短い時間で片付くだろう。 只ならぬ様子に何かを感じたのか、囲んでいる妖怪達もじりじりと近付くだけで。 一気に襲い掛かろうとするタイミングを計っているのか。 面倒臭い・・・ 再度、そう思ったとき。 妖怪達の壁の一角から悲鳴が上がった。 その合間から現れたのは・・・ 「八戒〜、俺もう腹減って死にそ〜・・・早く片付けて飯にしよ飯にっ」 如意棒片手に。振り回しつつ妖怪達を薙ぎ払いながら。 側近くへとやってきたのは悟空。 その一連の行動を思わず呆けた顔をして八戒は眺めていた。 「八戒？」 常とは違う様子に、不思議そうに呼びかける悟空の声に、ハタと我に返る。 見れば心配そうな金の瞳。 「八戒？ もしかしてどっか怪我した？ 痛い？」 「え？ あ・・・いいえ、すみません、ちょっと考え事を・・・」 「考え事って・・・いま？」 「はい」 周囲を見回せば、依然殺気を隠すこともなく、襲うタイミングを計りつつある妖怪一向様。 「八戒・・・」 「はい？」 「うん、いや、考え事すんのもいーけどさ とりあえず、コイツ等先に片付けちゃってからにしねぇ？ あぶねーから・・・・・・・・・・たぶん」 「それもそうですねぇ」 ものの、数分後。 辺り一面に転がる光景は、死屍累々という、和やかさとは程遠いものではあるが。 一段落したところで、ジープに戻り、喉の渇きを潤していた。 「三蔵と悟浄、おっせぇの。大丈夫かなぁ やっぱ探しに行った方がよくねぇ？」 「そうですねぇ。場所柄あまり動かない方が良さそうなものですが。 あまり戻らないようならそうしましょうか」 「う〜ん・・・特にイヤな感じもしねーから、三蔵は大丈夫だと思うけど」 「ああ、じゃぁやっぱり下手に動かないで待つことにしましょう」 「え？ でも・・・」 「悟浄も殺しても死なないタイプですから。大丈夫ですよ」 「う、うん・・・」 たしかに、三蔵は、何となく判るけど・・・いいのかな？ 改めて八戒を見ると、いつものようににっこりと穏やかで優しい笑顔。 ・・・ま、いっか。 先に食事にしましょうか、という八戒の言葉に喜びつつ 彼の言葉にあっさりと納得してしまう悟空だった。 ｅｎｄ？ |
―――結局、何が、書きたかったのかよく判らなく・・・（おい）
いえ、最初は、制御装置に絡めてみようかと思っていたんですけど
（だから、一番に戻ってきたのが悟空に←名残／笑）
結局単なる八戒さんメインというだけの
意味も何もない。あまりにも取りとめの無い話に（汗）
なにはともあれ、これでもお誕生日記念ということで・・・
・・・・なんとか入れ込めないかと努力してはみたものの
やはり原作ものに誕生日云々を入れ込むのは難しいです
あっさり挫折・・・（苦笑）
20040921
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